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溜息(仮)その1         小説を作るチャレンジ

  若い女性が 華やかな社交の場の隅で溜息をひとつ

 

「溜息なら そんな風にするものじゃないわ

 

せめて 舞台女優のようになさい」

 

もう一人の若い女性が 近づき様にそういった

 

「貴女ときたら こんな隅っこで何をしているの?」

 

溜息をつき終えたオーラは 暗い顔を上げ 声のする方を向いた 

 

そして 彼女の親友が舞台の展開が気に入らないとき

 

いつもする目を 今まさに していることに気が付いた

 

彼女はすぐさま弁解した

 

「ごめんさい フィビィ つまらないわけではないの

 

 ただ そういう気分じゃないのよ・・・」

 

フィビィと呼ばれた 若く美しい 

 

そして何より 生命力に満ち溢れた女性は 

 

これまでの人生で2番目くらい大げさに 驚いたという仕草をした

 

それから 驚かされた仕返しとばかりに 同い年の親友を子供のように叱った

 

「私たちは 若・い・の・よ!!

 

オーラ わかっているわ 

 

貴女はまた 自分たちは未亡人だからとでも言うのでしょう 

 

でも ダメ そんな言葉に耳を貸す気はないわ

 

未亡人だから 何?

 

私たちが 若い女性である ということにケチはつけられない

 

そして 社交界は 私たちに 注目しているのよ!!」

 

 戦争が終わって3年 世の中も随分落ち着いた

 

彼女たちの夫が名誉の戦死を遂げてから 

 

今まで噂好きの連中の目から逃れるため 

 

慎重に 神経を張り巡らせて 

 

ゴシップとは無縁の日々を過ごしてきた

 

 ようやく世間は 彼女たちに許しを与えてくれた

 

社交界は貴女たちを スターとしてお迎えいたします!!

 

3年も我慢してきたのだから 恋のさやあてでも なんでもご自由に!!

 

皆 貴女たちの帰りを待ちわびていました!!

 

今夜招待されたのは つまりはそういうことだ

 

 なのに この親友は

 

「そういう気分じゃない・・・」ときた

 

フィビィが 気分とやらを 最高潮に変えるための算段を

 

その頭脳で組み立てていると 予想外の邪魔者が声をかけてきた

 

「やぁ オーラ  フィ フィビィ」

 

やぁ と声をかけるときは どんな様子がふさわしいだろう

 

にこやかに 相手を気遣うような 包み込むような紳士な態度ではないか

 

だのに この長身のやせっぽち ローガン・メルローズ という男は

 

口の端を引きつらせ なんとも落ち着かない態度で そわそわしていた

 

「あら メルローズさん こんばんは」

 

この男に対してでも フィビィは この場にふさわしい態度を貫く

 

 「いらしていたのね いくら会場を見回しても 

 

頭一つ抜きんでた貴方が見えないので どうしたのかと話していたのよ」

 

ローガンが もごもごと 何か言いたそうにしていると

 

「こんばんは メルローズさん」

 

オーラが優しく声をかける

 

「出資をしていただける方は見つかりまして?」

 

普通ならこの手の話は 会話がひと段落してからするべきだろうが

 

ローガンは違った 助けに船とばかりに食いつくのだ

 

「オーラ そうなんだ 

 

アジアの もっと奥地に行くには まだまだ 足りない 

 

研究の意義を分かってもらうためにも

 

まずは 行く必要があるというのに」 

 

ローガンの勢いに フィビィが 面喰っていると

 

「色男! 二人も若く美しい女性を

 

 独り占めしているのか?」

 

と 快活な男の声がしてきた

 

                      つづく   

 

 

 

 

 

「君という人は」と大きく溜息をついた みたいな感じで終わる予定

 

 

 

 

 

以前 Twitter

 

と投稿したのですが

 

人様に頼るよりか 自分でやるか・・・

 

ということで 突発的に始めたモノ

 

まだまだ 舞台 時代 キャラクターの設定が適当です

 

資料を集めたり もっと考えないといけないですね 難しい・・・

 

なんとなく イギリスっぽく WW1直後ぐらいな雰囲気と思ってやってます

 

 

 

主人公は フィビィ  若くして戦争で夫亡くした未亡人

 

     上流階級の生まれ 大げさな口調と身振りをする

 

親友   オーラ  フィビィと同い年 子供の頃からの付き合い

 

     真面目で実直 亡き夫を今でも想っている

 

昆虫に詳しい男 ローガン・メルローズ  長身で 痩せている 

 

     戦時中は 病気療養で戦場にでなかった 

  

     昆虫の研究をする出資を募っている 

 

男盛りの紳士 ベンジャミン・フォレスティア 40間近の伊達男

     

     退役して 悠々自適な暮らしをしている   

 

 

多分3回でようやっと1話できると思います